2019-02-22 桃色の貝 ことば 「何故に会いたいときに会えないの。 今日会えなければ、 わたしは死んでしまうかもしれないのに。」 俺は泣いてしまうだろう 潮騒とともに 引き寄せられた薄い桃色の貝が 浜辺に顔を出す ひんやり濡れた足許の さらさらの砂の上から 両の手の平におさめて 「可愛いやつ。」 と俺は微笑む 世界は止まり お前がいないことに 俺は泣いてしまうだろう 「可愛いやつ。」 お前は儚く小さな貝そのもの 永遠は時に 潮騒とともに 引き寄せられた薄い桃色の貝が 浜辺に顔を出す